明日には忘れるひとりごと

ただの偏見と自論

友情と恋愛と片思いといろいろ

 

肌寒さを感じ始めたら、なんとなく、人肌恋しい季節になったねって言葉が浮かんでくる、わたしは映画やドラマの主人公でもないのに

 



 

初めて他人を好きだ、と自覚したのは幼稚園に通っていた頃。同じ教室にいる、話したことはない子だった

その子がこの幼稚園に通わなくなるって聞いた時、もう会えないんだと思うと悲しくて泣いた、夜、布団の中で

 

だけど、次の日からその子のことを思うことも無く、淡々と日常を送ることが出来た、だから、これは恋ではなかったのだろうな、と思う

 

 

次に人を好きだと感じたのは、小学5年生の頃

 

何度席替えがあろうとわたしの前に座るその人が、好きになった、なんとなく。告白もされた、泣きながら、でも、それだけで、何も無かった。あれは、あの頃特有の遊びだったのかもしれない。

じゃんけんに負けたやつが告白な、

とか、そういう感じのやつ。

 

6年生になった頃、その人の友だちに、「あいつのことまだ好きなん」 と問われ、うん、と答えた時、「え、まだ好きなん、あいつもう好きな人変わってんで」 なんて笑われて、片思いの好きは恥なのかも、と傷ついた 

でも、思い返すと、その頃のわたしは、その人のこと、もう好きではなかったのかも、と思う。

 

その次に恋をしたのは中学一年生になった頃

馴染みの顔で、通う校舎と先生の顔ぶれ、制服が変わるだけで、ほとんどメンバーは変わらないのに、なんだかみんな、急に大人になった、みたいな雰囲気を纏ったふりをし始めた頃、友だちを通じて彼の連絡先を知った。

何日も送れなかった、

でも、送るしかなかった、だから送った。毎日顔を合わせるのに、会話はなく、学校では関わりのないわたしたちだったけれど、帰宅してからはずっと携帯を手放せないほどのやりとりをした、眠るまで。朝にはおはよう、それだけ。毎日、お互いの好きな人を探るやり取りが続いた、なんとなく、お互いが両想いであることを察しながらも、知らないふりして。

そんな感じの片想いやら両想いの間に、わたしの友だちはわたしに好意を持ってくれていた。なんとなく、そう感じていた。わたしがほかの人と話すと拗ねるし、置いていくと怒る。

わたしはトイレとか移動教室とか、そういうの、ひとりで行きたいタイプだったから、彼女の不満に納得も理解も出来なかった。

急かしたり急かされたりするくらいなら、自分のペースでいたほうが楽じゃないか、と思っていたから。

そんな彼女と放課後に、互いこ部活動が休みの時、学校の階段で話すことが当たり前だった、何をきっかけに始まったかは思い出せないけれど。

ある時、彼女が言った。

 

─ キスってどんなだろうね、と。

わたしは、そんなのは彼氏に聞け、と言ったような気がするけれど、彼女はそれに納得はしなかった。

─ 彼とはしたいと思わないんだよね、と。

わたしは不思議に思った、なら、どうしてそんなこと聞くんだろう。

すると、彼女は言った、

 

─ ねぇ、キスしていい? と。

 

なんとなく、そう言われるような気がしてたけど、言われると思ってなかったわたしは、返事をしなかった、というより出来なかったし、正解を探してしまった。

生まれて10年と少しのわたしには、キスをする相手が友だちでもいい、という思考が働かなかった。

けれど、彼女のことを拒絶する理由も嫌う理由もないわたしは、ひたすら悩んだ。悩んでいるふりを、してしまった。

 

下校時刻になり、また明日、という彼女に

また明日、とだけ返した

 

次の日になっても、わたしの中でまとまった答えなんてでるはずもなく、かといって簡単に誰かに相談することも出来ないままでいた。

でも、なんとなく、聞かなかったことにとか、簡単に流していいものとも思えず、昼休み、彼女に答えた。

 

 

── いいよ。

 

その日の放課後、今日は部活動はある日なのに階段にいた

 

わたしは、いつでもどうぞとは言えなかった

本気ならいいけど、興味とかそういうのだったら、なんとなく嫌だと思っていたから、だと思う。

これがなにかの罰ゲームでどこかで誰かに見られていたらなんとなく恥ずかしいし、そもそも、同性だろうが異性だろうが、キスをすることには抵抗があったから。

 

――― 

 

半年くらいたった時、幼なじみと話をしていた。彼女は昔からとにかく距離が近くて、わたしはそれが苦手だったけれど、もう6年もそれが続くと慣れてしまってた

ある日の休み時間、彼女と廊下を歩いていた時に突然足を止められた。

 

周りの流れまでとめてしまったその言葉は同時に視線も集めた。その中で、彼女はわたしにキスをした。

──なんで。

 

意味が分からないわたしの腕を引き、何も無かったかのように次の授業の部屋に向かうあなたに、わたしは何も言えなかった、恥ずかしいとか怒りとかそういうんじゃなくて、まだ、わかんないことが世の中にあるんだな、と思いながら。

 

 

その日からわたしはなんとなくだけど、同級生から不思議な視線をおくられるようになった。男子生徒にはもっと変な目で見られた、同じような目でみてやった、つもりだけど、たぶん、全然出来てなかった、あんな興味とか好奇心とかなんとかが混じりあったような目、わたしにはできっこなかった。

 

 

その1週間後、幼なじみは転校した

 

その日、わたしは彼にふられた。