わたし自身が、
それがどうした、
と、思っていても、それに巻き込まれたら、それだけ、では済まなくなる
「床にね、落ちてたんだよ。髪の毛が」
「そうなんだ」
「わたしのじゃないのね、それが。」
「そうなんだ」
「わたしのより長くてさ」
「じゃあそれ わたしのかもね」
「癖っ毛なんだよね、くるくるって」
「そっか」
「そんなことってある?」
「あるんじゃない?抜けた髪だけ丸まることくらい
もしくは誰かの髪がどっかにひっかかってたんじゃないの」
「ほんとにそう思ってんの?」
「そうだけど、それがどうした」
それが最後、全ての終わり
何も起こってなかったはずなのに
何かが始まってた
それだけのこと